コラム

 

被害者参加制度 (弁護士 佐藤初美)

平成29年2月21日

1 制度の概要

犯罪被害者等が刑事裁判に参加する制度で、平成20年12月1日より運用が開始されています。被告人(加害者)の刑事処分への被害者側の声の反映、被告人(加害者)の真の反省を促したり、被告人が真に反省しているか確認したり、民事事件での損害賠償も見据えて事件の真相を究明するためなどに有用な制度です。
 

2 被害者参加の要件及び方法等

(1)交通事故に関連する対象犯罪
危険運転致死傷罪・自動車運転過失致死傷罪・業務上過失致死傷罪、これらの犯罪を含む犯罪及び未遂罪です。
 
(2)参加できる者の範囲 
対象事件の被害者等(①被害者または②被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族、若しくは兄弟姉妹及び被害者の法定代理人
 
(3)参加の方法
ア 参加の申出
参加の申出は、検察官に対して行います(裁判所に対して行うものではありません)。申出の形式は、口頭でも構いません。なお、検察官から、被害者等に対して、参加の申出をするかどうかの意思確認がされることもあります。申出を受けた検察官は、意見を付して、これを裁判所に通知します。裁判所は、被告人または弁護人の意見を聴き、犯罪の性質・被告人との関係・その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、参加を許可します。
イ 弁護士への委託
弁護士が被害者参加人から委託を受けた場合、被害者参加人と連署した書面をもって裁判所に届出を行います。
 
(4) 参加の時期
起訴後から、口頭弁論終結時までの間であれば、いつでも参加が可能です。なお、公判前整理手続には直接関与できません。
 

3 被害者参加人等が行うことのできる行為

(1)公判期日への出席
公判期日の指定については、被害者参加人の意見を聞かなければならないという明文規定はありませんが、検察官を通して期日指定について一定の配慮をしてもらえるのが通常です。法廷では、検察官の隣などに座ることになるのが通常です。
 
(2)検察官に対する意見申述
被害者参加人または被害者参加弁護士は、被告事件についての検察官の権限行使に関し、意見を述べることができ、この場合、検察官は、当該権限の行使・不行使について必要に応じ、その理由を説明してくれます。
 
(3)証人の尋問
被害者参加人または被害者参加弁護士は、裁判所の許可を受けて、情状証人の供述の証明力を争うために必要な事項について尋問することができます。情状証人に対する尋問は、被告人やその親族による示談や謝罪の状況等、犯罪事実に関係しない、いわゆる一般情状に関する事項に限られます。
 
(4)被告人に対する質問
被害者参加人または被害者参加弁護士は、裁判所の許可を受けて、被告人に対して質問をすることができます。証人尋問と異なり、被告人に対する質問は、情状に関する事項に限られません。
 
(5)事実または法律の適用についての意見陳述
①被害者参加人または被害者参加弁護士から、事実または法律の適用について意見陳述の申出があり、②審理の状況・申出をした者の数・その他の事情を考慮して相当と認めるときは、③公判期日において、検察官の論告・求刑の後に、④事実または法律の適用についての意見を陳述することが許可されます。
心情その他に関する意見に限られず、求刑に関する意見も含まれます。ただし、被害者論告の内容が、起訴状の公訴事実の記載により特定された犯罪事実の範囲を超えるときは、陳述の制限を受けることがあります。
 

4 付添い・遮へいの措置

被害者参加人の心身の状態等に応じて、付添い・被告人や傍聴人との遮へい等の措置を取ってもらうことができる場合があります。
以 上
 
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