後遺障害診断書について

後遺障害の等級認定においては、後遺障害診断書がポイントになることは、前項に述べた通りです。
 
しかし、医師の中には、治療の腕は確かでも、後遺障害認定や後遺障害診断書の作成に関する知識が十分ではない、という方もおられます。
そのため、後遺障害診断書に、重要な項目が記載されず、適切な認定が受けられない、ということがしばしば起こってきます。
 
前にも述べましたが、一旦、等級が認定されてしまうと、異議申し立ての制度はあるものの、以前の認定を覆して、より上位の等級認定を受けるのは極めて困難です。
従って、最初の等級認定の時点で、必要な証拠や診断書を提出することが重要なのです。
 
後遺障害診断書には主に、①傷病名、②自覚症状、③他覚症状および検査結果が記載されていますが、例えば、②自覚症状について、例えば、首の痛みがあるのに、患者自身が「たいしたことはないから・・・」といって、医師に伝えていなければ、記載漏れになってしまいます。また、医師が忙しいために、記載漏れをする場合もあります。さらに、症状によっては、周りの人から言われなければ気付かないこともあり、この場合も、記載漏れが起こります。
また、③他覚症状および検査結果は、適切な機器、適切なタイミング、適切な方法で、レントゲン、CT、MRI(現在、最も普及しているのは1.5テスラ。臨床で使用できる最大のテスラ数は、3.0テスラ。数字が大きい方が解像度が高い。また、画像の厚みを示すスライス厚も10mmよりは3 mmと、薄く撮影した方が明瞭であり、位置が正確にわかる。)などを撮影したり、適切な測定方法で検査されていなければ、適正な後遺障害の等級認定を得るための他覚的所見を書いてもらうことができなくなる可能性があります。
 
その点、事故直後の早い段階で、専門家に相談しておけば、必要な検査や後遺障害診断書の記載についてもアドバイスを受けることができます。